私と星の王子さまとの出会い

アントワーヌ・ド・サン=テグジュクペリの、
「星の王子さま」
を初めて読んだのは、
思春期真っ只中の中学生の頃でした。
あの頃は小学生の部活動とは異なり、
初めてできた先輩後輩という上下関係によって、
縦社会の難しさに直面したり、
大人と子供の中間で何とも微妙な扱いに戸惑いや憤りを感じて反抗したり。
今にして思えば生きることや生活することの難しさを、
初めて目の当たりにした瞬間の葛藤だったのだろうと思います。
そんな時に出会った星の王子さま。
この社会の縮図のような話だと、
中学生ながらに感じたものです。
自分が素晴らしいと思っていた1輪のバラよりも、
遥かに多いバラの群生を見た時、
なんて小さなものに心をとらわれていたのかと涙する王子さまの気持ちが、
痛いほどよくわかりました。
まだまだ上があることを知らずに、
目の前にあるものだけで満足していた自分か情けなくて、
そしてその世界の存在を知ってしまったこともショックで、
当時の私のいろいろな情景が重なって感じたのです。
しかし最後に彼は、
そして私も気付きました。
本当に大切なものは目に見えないのだということを。
家族、
健康、
友情、
愛情。
数え上げたらきりがない私にとって大切なものは、
目には見えないものばかりでした。
その後この本は私が何かにぶつかりそうになった時、
必ず手に取る1冊となりました。
受験や就職、
私を取り巻く環境の変化についていけなくて悩んだ時。
このままの自分で良いのだろうかと、
人生の岐路に立った時。
何だかよくわからないけど、
不安で不安で仕方がない時。
この本を読むと、
気持ちが浄化されていくように涙が溢れ、
その涙と一緒に私の中のモヤモヤが流されていくのです。
そして涙を流したあとはスッキリした気持ちで、
今の自分の状況を冷静に見つめられるのです。
キツネのこの出会いは決して無駄なことではないという言葉を思い出す度に、
人生に無駄なことなど1つもないのだということを改めて感じ、
この逆境もいつかの自分の糧になる日がくるのだと思えるのです。
この本を開いて王子さまと再開した瞬間、
私の心は軽やかに、
そして清々しい気持ちにさせてくれるのです。

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